博物館周辺の樹林地にも秋の花がいろいろと咲いています。こちらはベニバナボロギク。
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ベニバナボロギクの綿毛(上)と花(下)
へんな名前です。ベニバナは花の紅色からきているがわかるものの、ボロギクとは・・この花や種子の様子が特段ボロだとは思えません。植物の種名には、こうした根拠のよくわからないものがよくあります。
歩いていると、足元から独特の香りが漂ってきました。その主は、ナギナタコウジュです。名の由来は、花全体が長刀(なぎなた)を思わせるからということでしょう。
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ナギナタコウジュ
ハーブ?とも言えなくもありませんが、かなりクセの強い匂いです。昔から梅干しの香りづけなどに使われてきたそうです。
こちらはノコンギクです。
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ノコンギク
じつは、この写真よりもずっと淡青紫色の花色が美しいのです。しかし、この色は写真で表現するのがとても難しいのです。明るめに設定すると白くなってしまい、暗めに設定すると、ある程度青っぽくはなるものの、画面全体が暗くなり、それもちょっと実際の花の印象とは異なるものになってしまいます。
花ではありませんが、夏の間元気につるを伸ばして咲いていたコボタンヅルが、静かに実っていました。
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コボタンヅルの果実
冠毛がオシャレです。しかし素朴な疑問として、この果実に対してこの冠毛では上の写真のベニバナボロギクやタンポポの綿毛のように、空を飛べそうにありません。飛ぶことよりも、何かにひっかかることが目的なのか?ただし、ひっつき虫のような機能でもなさそうです。
身近な植物にも、まだまだ「?」があふれています。
(生物担当学芸員)