神奈川県立津久井湖城山公園は、小田原北条氏に与(くみ)した内藤氏が城主を務める山城でした。
この津久井城跡がどのような山城なのか、相模原市教育委員会文化財保護課、市立博物館、(公財)神奈川県公園協会とそれぞれに所属する市民ボランティアにより、市民協働調査の一環として、毎年発掘調査を行っています。
今年は11月7日から城坂曲輪群(しろさかくるわぐん)7号曲輪の発掘調査を行っています。
7号曲輪は城坂曲輪群の東に位置しており、現況は南西へ延びる緩斜面です。南に広がる5号曲輪では16世紀後半の池跡がある庭園遺構が確認されています。
7号曲輪の発掘調査は昨年度から始めており、地山(じやま)である関東ローム層を急角度に削った段切りや、人為的に平場を作り出した造成面が見つかっています。土器を中心とする遺物も出土しており、16世紀後半には、津久井城の曲輪として使われていたと考えられます。
今年度は昨年度と直行する調査区を3ヶ所設定し、中世の造成面の広がりを確認します。
昨年度に確認された造成面があるのか、慎重に発掘調査を進めています。
発掘調査の成果を広くお知らせするために、11月23日(木・祝)に現地説明会を行います。発掘現場の見学は午前10時~午後2時まで可能で、調査員による現地解説は午前11時、午後1時30分から行います。
過去の5号曲輪の成果や7号曲輪の様子、さらには出土した土器なども展示・解説しますので、ぜひお越しください。
※この現地説明会は「宝ヶ峰の里まつり」と同時開催です。そのため駐車場が大変混み合いますので、公共交通機関にてお越しください。また当日は花の苑地第2駐車場からシャトルタクシーを運行しております。
(考古担当学芸員)
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