11 月22日から、二十四節気の小雪(しょうせつ)です。雨が雪へと変わる頃ということで、今朝、博物館の敷地内で雪虫が飛んでいるのを見ました。
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11月22日朝に飛んでいた雪虫
たびたびこのブログでもお伝えしている定番の昆虫ですが、今年は北海道で雪虫が大発生したというニュースもありました。しかし、博物館周辺でも毎年11月初旬に飛んでいる雪虫がなかなか飛びませんでした。秋の前半に気温が高かったせいかと思いましたが、やはり朝の気温がぐっと下がると出てきますね。
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ふわふわと飛ぶ姿は季節の風物です
ところで雪虫の正体は、アブラムシの有翅形(ゆうしけい)です。北海道の雪虫と関東地方の雪虫は種類が異なりますし、博物館周辺でも、少なくとも2種類以上の雪虫がいます。上の写真のタイプは腹部のモサモサの白い毛が長めのタイプです。腹部だけでなく、胸部背面にも短い毛が生えています。
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雪虫(長毛タイプ)
これに対して、例年11月初旬に発生しているのは毛が短い、短毛タイプです。胸部に毛はありません。
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毛が短いタイプの雪虫(昨年の写真)
今年は短毛タイプが飛んでいるのを見た記憶がありません。短毛タイプの発生が極端に少なかったのか、気づきませんでした。
アブラムシの分類は非常に難しくて未解明のことが多く、短毛、長毛などとざっくり分けていますが、それらの中にもまた複数の種類が含まれているはずです。身近な生きものたちのことでも、まだまだわからないことだらけです。
(生物担当学芸員)
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