令和6年能登半島地震により被災されたみなさまに心よりお見舞い申し上げます。
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いよいよ新しい年が始まりました。年末年始はいかがお過ごしでしたか。
1月6日に二十四節気の「小寒」を迎えます。「寒の入り」とも呼ばれ寒さが増してくる時期ですが、空気が澄み切った冬の夜空では星々が美しい輝きを放っています。
夜のはじめ頃、南東の空には冬の星座たちが広がっています。中でも「オリオン座」の星のならびは街中でも見つけることができます。
(今月の星空はこちら)
特徴的な星のならびには日本古来のさまざまな星の「和名」があります。
オリオン座には赤い色のべテルギウスと青白い色のリゲルという 2 つの明るい星があり、中央には 3 つの星がきれいにならんでいます。さらに近くにある 2 つの星を結ぶと、砂時計のような形になります。
この形を楽器の鼓(つづみ)に見立て、「ツヅミボシ」と呼びました。また、中央の 3 つの星には「三つ星」、「ダンゴボシ」などの和名が付いています。
オリオン座に負けないくらいさまざまな和名を持つのが「おうし座」です。
おうし座にはオレンジ色のアルデバランがあります。
その周辺の星を結ぶとアルファベットの「V」のような形を作ることができます。
この形をお寺にある釣鐘に見立て、「ツリガネボシ(釣鐘星)」と呼びました。
なんだか大晦日の除夜の鐘を思い出しますね。
さらにアルデバランの近くには星の集まりを見つけることができます。
「プレアデス星団」といい、100 個以上の若い星々が集まっている散開星団です。街明かりのない場所で目をこらすと、星が 5~7個くらい集まっていることに気がつきます。
和名では「スバル」と呼ばれ親しまれています。スバルには「統べる(まとめてひとつにする)」という意味があります。今年の大河ドラマは平安時代が舞台ですが、清少納言が記した『枕草子』の中でも「星は昴(スバル)…」という一節があり、「好きな星と言えばスバル」と愛でています。
スバルには他にもたくさんの和名がありますが、この時期にぴったりな呼び名は「ハゴイタボシ」です。なんとなく羽子板のように見えてきませんか。
ちょうど新年を迎える頃にスバルは見ごろとなりますので、羽子板を連想しやすかったのでしょう。夜空の星々を通して感じられる日本の伝統や文化があるのかもしれません。
星の「和名」は地域によってさまざまです。ぜひ、注目してみてくださいね。
2024 年もすてきな天体現象との出会いを期待しましょう。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
(当館プラネタリウム解説員)
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