シロハラとアカハラ

博物館のまわりの樹林地には、冬になると何種類かのツグミ類がやってきます。そのうちの2種類、シロハラとアカハラは、大きさや姿が似ていて、名前もなんだか色違いなだけです。シロハラはこちらです。

シロハラ

シロハラ(白腹)というだけに、腹は白っぽいのですが・・そんなに白いかというと、そうでもありません。

正面から見たシロハラ お腹はあまり白く見えません

お腹の下の方が真っ白ではあるものの、全体的にはちょっと濁ったような色です。対してアカハラは・・確かに赤いです。

アカハラ 先日、境川沿いで観察したもの

ただし、シロハラと同様、お腹の真ん中から下は真っ白・・。

アカハラ 鳥類標識調査の時の写真・・お腹は白いです

どちらかというと、赤いのは「わき」でした。
鳥の名前は、絶妙にぴったりなものもあれば、やや首をかしげたくなるようなものも少なくありません。色で言えばその筆頭はホオジロです。

ホオジロ 確かにほおのあたりに白い部分もありますが・・

白い部分もありますが、どう見てもホオ(頬)が白いというのは誇張?表現です。シジュウカラの方がよっぽど頬の白さが際立ちます。

シジュウカラ

鳥の種名は、日本鳥学会が刊行している『日本鳥類目録』(2012年発行の第7版が現在の最新版)で使われている「和名」にならって図鑑などでも使用するのが慣例です。『日本鳥類目録』は、分類学の進歩によって種の位置づけやグループ分けが変わることがあり、そうした内容を反映するためにこれまで改訂を重ねてきました。じつは、来年秋頃に改訂8版が刊行される予定で、暫定的なリストが日本鳥学会のホームページ上で公開されています。まだ検討段階でリストには反映されていませんがが、今後、いくつかの種類で分類の変更に伴って和名も変更することが検討されており、バードウォッチャーや鳥類研究者などの間で話題になっています(サンショウクイなど)。ただし、今のところシロハラやアカハラ、ホオジロの和名は変更される予定はありません。
(生物担当学芸員)

※相模原市立博物館は来年2月29日まで、エレベーターの修繕など館内工事のため臨時休館中です。ご理解とご協力をいただきますようよろしくお願いします。休館中のお問い合わせなど、詳しくは博物館ホームページをご覧ください。

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