1月の仕事始めに、相模川の河原へ調査に行ってきました。
ここは、市域の相模川を象徴する絶滅危惧種、カワラノギクの自生地でもあるのですが、「カワラ」と名につく植物がほかにもあります。こちらのカワラハハコ(キク科)です。
カワラノギクのように分布が限られている植物ではありませんが、同じような環境に生育し、県内では分布域が著しく減少しているため、絶滅危惧Ⅱ類にランクされています。この自生地では、2018年まで県内最大の群落がありましたが、2019年台風19号で流失して以降、群落が回復していません。
現在はこのように、コセンダングサ、セイタカアワダチソウ、ススキが茂っています。
わずかに残った場所は、流路から少し離れた場所にあり、シナダレスズメガヤなどの外来種の群落に飲み込まれてしまう恐れがあります。
そこで、系統保存と増殖のために、採種(種子の採取)することにしました。
カワラハハコの栽培は経験が無く少々不安ですが、造成地などに突然出てくることもあるため、日照を確保すれば生育するのではないかと考えています。
今年の秋には、嬉しい続報をお伝えできるよう、しっかり育てたいと思います。
(生物担当学芸員)
【休館のお知らせ】相模原市立博物館は館内エレベーターの改修工事のため、令和6年2月29日まで休館となります。休館期間中も職員は出勤しております。電話や電子メールなどは通常どおりつながります。また、休館期間の学芸員の活動の様子などはこのブログや、SNSなどで発信してまいります。ご迷惑をおかけしますが、ご理解とご協力をいただきますようお願いします。