二十四節気の小寒(しょうかん:1月6日~)も半分を過ぎ、1月20日からの大寒(だいかん)に向け、真冬らしい気温の日が続いています。そんな中、博物館周辺の木々もすっかり休眠状態のように見えます。が・・よく目を凝らすと、意外と鮮やかな色合いを見つけることができます。真冬の果実は、けっこう色とりどりなのです。
こちらはマンリョウです。
常緑の葉の下に隠れるように実っています。
個人的にお気に入りは、お正月の投稿でも紹介したジャノヒゲの果実です。
こちらも、株の根もと付近の低い位置に実るため、ふさふさと広がった葉をめくらないと見つけられません。こんなに鮮やかな色なのに、隠すように実るのはなぜでしょうか。
トキリマメは、お豆の部分は真っ黒なのですが、鞘が赤く染まり、果実を目立たせています。こうした色のコントラストによって存在を強調することを、二色効果と呼びます。
こちらはヤブランで、黒紫色に実っています。二色効果はありませんが、スッと伸びた茎にたくさん実るので、それなりに目立ちます。
さらに、ケヤキの高い位置にこんもり茂る半寄生植物のヤドリギは、黄金色に実っています。上のヤブランとともに、冬鳥のヒレンジャクが好んで食べる果実です。
ヒレンジャクは、ヤブランよりもヤドリギの方を好むようで、周辺のヤドリギを食べつくすと、ヤブランを食べ出します。博物館周辺ではヤドリギは株数が少ないのですが、ヤブランはたくさんあります。そのため、越冬期の終盤になってから滞在しています。
ヒレンジャクは毎年飛来するとは限らず、むしろ飛来する年の方が少ないのですが、ここ数年は連続で博物館周辺にもやってきています。今年の冬は来てくれるでしょうか。
(生物担当学芸員)
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