現在、旧石器ハテナ館では、考古市宝展を毎月開催しています。これは市の遺跡から見つかった「これぞ!」という考古資料を月替わりで展示しているものです。
今回は田名坂上遺跡でみつかった市指定文化財「三彩小壺」が展示されています。
いつもは当館の常設展示にありますが、2月28日まで旧石器ハテナ館で展示されています。
奈良三彩とも呼ばれ、唐(現在の中国)で作られた唐三彩陶器をベースに日本で模倣したもので、釉(うわぐすり)がかけられています。この釉は緑釉(りょくゆう)、白釉(はくゆう)、褐釉(かつゆう)を用いるので、「三彩」と表現されます。
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鏡で底の様子がわかります。
高さが4.1㎝と小ぶりで「小壺」と呼ばれるのも納得です。この小壺の出土例は畿内に集中しており、古代のお寺や役所から出土する事例が多いことから、当時の政府の祭祀や、仏教行事に使われたものと推測されています。東国では出土例が少なく大変貴重なものです。
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展示の様子
展示は2月28日まで開催していますので、この機会にぜひご覧ください。
(考古担当学芸員)
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