3月1日から再開した相模原市立博物館では、様々なイベントをご用意して皆様をお待ちしています。詳しくはこちらをご覧ください。
その1つ、3月1日から始まったミニ展示「牧野富太郎博士の植物標本」では、なんと、植物学者、牧野富太郎博士が自身で作製した植物標本4点が展示されています。
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ミニ展示「牧野富太郎博士の植物標本」
これは、昨年11月に東京都立大学牧野標本館と当館植物標本庫が植物標本の交換を行ったことにより、当館所蔵となったものです。当館からは、近年採集された市内の自生種や、県内外の標本30点を牧野標本館へ、牧野標本館からは、同館のご配慮により、すべて県内採集品30点、しかも、うち2点は市内緑区の採集品を揃えて下さいました。
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緑区与瀬で1937年に採集されたヤマザクラ(左)とチョウジザクラ(右)
また、もっとも古いのは1901年採集のもので、牧野博士自筆のメモが入っていました。
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ヤマブキ(箱根で1901年に採集)
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「April13, 1901, Hakone, Sagami」と博士独特の筆致で書かれています
さらに、こちらは平塚海岸で採集されたカワラナデシコで、こちらも牧野博士直筆のメモ入りです。
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カワラナデシコ(平塚で1914年に採集)
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「カハラナデシコ 相州平塚 海浜砂場 21/Ⅵ/1914」と書き込まれています
約90~120年前の植物標本がこれほどしっかりと残されていることに驚きますし、その年月の重みが標本からひしひしと感じられます。
この展示は4月7日(日)までとなります。牧野標本の実物を見られる貴重な機会となりますので、ぜひご覧ください。
(生物担当学芸員)