3月29日には相模原市でサクラの開花宣言が出され、4月4日現在、市内の桜並木も日に日に桜色に染まりつつあります。そんな中、博物館お隣の樹林地内で、こんな花を見つけました。
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裁断された幹に咲いている花
2月初旬に降った雪によって、樹林地内ではかなりの倒木がありました。そのうちの1本が、ヤマザクラの大木でした。雪の重みによって根もとで割けるように倒れたのです。
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ヤマザクラの切り株
それが道路沿いに張られたフェンスへもたれかかってしまい、危険な状態だったため、短く裁断された枝が現場に残されています。その枝から伸びていた花芽が開花したのです。
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ヤマザクラの花 通常の花と比べてもなんの遜色もなく咲いています
裁断されてから1か月ほどなので、幹には十分水分が保たれていたのでしょう。ちょっと痛々しくも見えますが、植物の生命力も感じます。
すぐそばのソメイヨシノもあと数日で満開になりそうです。咲き始めからおおよそ1週間で満開、それから見ごろが1週間続きます。春のお天気は変わりやすいので、その間の雨風のたびに「サクラが早く散ってしまう」と心配の声が上がります。しかし、花弁は多少の風や雨、低温などで散ったり、散るのが早まったりはしません。順次咲いていったサクラの花の中で、散るべきタイミングの花弁が風などをきっかけに散っているだけなので、ご安心ください。
(生物担当学芸員)