5月21日、市内緑区の渓谷へ、サツキの自生地の現況確認に行きました。サツキは街路樹や庭木としてごく普通に見られる植栽樹ですが、本来の生育環境はなんと、渓谷の岩場です。つまり、岩場の過酷な土壌条件で生育可能なので、コンクリートジャングルの市街地でも生育できる、というわけです。
この場所は、令和元年東日本台風(台風19号)で大きな被害のあった場所だったものの、その後訪れていませんでした。自生地がどうなっているか心配でしたが、無事に開花を確認できました。
まだ花期のピークではなかったのですが、ざっと周辺を探したところ、株自体はかなり残っているものの、つぼみを付けている株が少ないように感じられました。若干、まだ台風によるダメージが残っているのかもしれません。
一方、同じく渓谷を代表するシダ植物であるヤシャゼンマイは、元気に茂っていました。
渓谷の植物らしく、スッキリとしたフォルムと色合いが美しいシダです。
ほかにも、渓谷特有というわけではないのですが、カナウツギが開花していました。
シラキも花穂がたくさんついていました。
サツキは、相模原市のこの場所が、分布の東限と言われています。株が残っているのを確認できて、ひとまず安心しました。
(生物担当学芸員)