先日のブログでは、サツキの自生地の調査の様子を紹介しました。
ここでは、その際に観察した動物や昆虫を紹介します。
まず、砂利道の足元を歩いていた昆虫から。
スジアオゴミムシといい、市内ではよく見かけるゴミムシの1種です。
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スジアオゴミムシ
頭部から胸部にかけての赤紫のメタリックな質感がよく目立ちます。
つづいて、葉の上にいたのはシラケトラカミキリ。
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シラケトラカミキリ
黒と白の模様が入ったカミキリムシのなかまです。
サツキ自生地では、渓流沿いを何種かのトンボが飛んでいました。そのなかでも個体数が多く、ひときわ目立っていたのがミヤマカワトンボです。
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ミヤマカワトンボ
「ミヤマ」=深山と名につくとおり、河川のある程度上流に行くとみられるトンボです。
ちなみに写真の個体は翅(はね)の先端に偽縁紋(ぎえんもん)と呼ばれる白い模様をもっています。この模様はオスにはないので、メスであるとわかります。
サツキの調査が終わり林道を歩いていると、斜面の上から「ガサガサッ」と動物の動く音が聞こえてきました。
音のした方向を探すと、木立の奥に大きな動物がいるのが見えました。
ニホンカモシカです!
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ニホンカモシカ
じっとこちらの様子を見ています。このまましばらくこちらを見たあと、ゆっくりと斜面の上に登っていきました。
今年4月に博物館に着任したばかりの私(執筆者)はこれまでカモシカを見たことがなかったので、とても嬉しい出会いでした。
(動物担当学芸員)