通勤途中に通る博物館お隣の樹林地では、このごろクズのつるが旺盛に伸びてきて、とめどない生命力を感じます。
ところが、よく目をこらしてみると、つるの先の方に白いものがたくさんついています。
なんじゃこりゃ。あ、そういえば、クワの木につくクワキジラミに似ています。クローズアップしてみると、果たしてロウ物質を身にまとった昆虫の姿が。
持っていたフィルムケースに入れて博物館に持ち込むと、中でロウ物質がはずれてこんな姿が現れました。
アオバハゴロモの幼虫のようです。成虫になると、淡緑色のきれいな三角形の翅をもつカメムシ目の昆虫です。バナナ虫と呼ばれるツマグロオオヨコバイやウンカなどに近いなかまです。
怖いものなしでぐんぐん伸びていくように見えるクズも、こうした昆虫に水分を取られながら苦労して伸びていくんですね。
(生物担当学芸員 秋山)