この頃こんな風に、ペアになっているシロブチサラグモをよく見ます。
この写真では黒っぽい方がオスで、オスメスとも、腹を上に向けています。
オスは触肢をメスの腹部にある生殖口にあてがって、精子を送り込みます。オスの触肢の先端は非常に複雑な形をしていて、同じ種のメスとだけ形が合うようになっています。また、スポイトのような構造があって、一度体外に出した精子を吸い上げて「持って」歩いているのです。
クモの場合「交尾」と言わず「交接」という事が多いのですが、こういう事情を反映しているのかも知れません。
少しアップの写真。この写真では触肢はメスの腹部から離れています。
ところで、今回写真を撮っていて気づいた事。同じ網にオスメスが同居している場合、オスが網の中心にいて、メスがその上の方にいる事が多いように思えます。
という事は、メスがオスの網を訪ねてきている?大抵のクモはオスがメスの網にやってくるのですが、このクモは逆なのでしょうか。もっとよく観察する必要がありそうです。(学芸班 木村)