【新規収蔵資料展見どころ紹介-番外編-】市民学芸員への展示解説

少し前のことになりますが、6月12日(水)に行われた市民学芸員全体ミーティングの終会後、現在開催中のミニ企画展「相模原に生まれた偉人 尾崎行雄(咢堂)新規収蔵資料展」の担当学芸員による展示解説を実施しました。

本ミニ企画展では、郷土の偉人・尾崎行雄ゆかりの新規収蔵資料を展示しています。当日ご参加いただいた市民学芸員の皆さんには、展示の裏話なども交えながら見どころについて解説しました。
このブログでは【見どころ紹介番外編】として、特に市民学芸員からの反響が大きかった資料について紹介します。

たくさんの市民学芸員さんにご参加いただきました!

1つ目は、「尾崎行雄と池の平『楽山荘』」と題したコーナー。ここでは、尾崎が愛した池の平(新潟県妙高市)の旅館・楽山荘にゆかりがある扁額を展示しています。
夫の佐々木久二とともに夫妻で楽山荘を経営していた“女主人”=長女・清香に宛て慈愛をもって詠んだ歌や、尾崎が特に気に入って過ごした「思慕の家」という名のオンドル部屋を題材に詠んだ歌の2首をご覧いただきました。

楽山荘ゆかりの扁額

あわせて、尾崎が楽山荘で過ごすようになった際、80歳を超えて初めてスキーを練習し、乗馬の経験などで養った姿勢や膝の使い方によってみるみるうちに上達したというエピソードを紹介したところ、市民学芸員一同から驚きの声が上がりました。

平野 一男・画「池の平でのスキー」(提供:(一財)尾崎行雄記念財団)

次に、近藤日出造・画「尾崎先生像」の色紙です。この資料は、本年2月に実施した展示替えにより、普段は自然・歴史展示室内の尾崎咢堂コーナーに常設展示しているため、今回のミニ企画展で唯一初公開ではない資料となります。(会期中、自然・歴史展示室ではパネルを展示しています。)

近藤 日出造・画「尾崎先生像」

しかし、場所が変われば受ける印象も変わるのか、皆さん改めてじっくりと見入っていました。また、作者の近藤日出造氏は昭和22(1946)年に一度退社した読売新聞社に復職した後、約30年にわたり読売新聞で政治漫画を描いていたため、展示解説に参加した市民学芸員の中には、リアルタイムで連載をご覧になっていた方もいらっしゃったようです。

皆さん、興味深く解説を聴いてくださっています。

今回に限ったことではありませんが、市民学芸員全体ミーティングの終会後には、その時々で開催している企画展について、担当学芸員による展示解説を行っています。(直近の様子はこちらをご覧ください。)
このため、展示を見る目の肥えた皆さんに対する展示解説は少し緊張気味ではありましたが、終了後に「とても分かりやすかった!」、「又野の記念館にもぜひ行ってみたいと思った。」という嬉しい感想をいただくことができてホッと胸をなでおろしました。

全4回でお届けした【新規収蔵資料展見どころ紹介】は、この番外編をもって最終回となります。(はリンクからご覧いただけます。)
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。よろしければ、このブログとあわせて展示もお楽しみいただけますと幸いです。

(歴史担当学芸員)

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