大学生の博物館見学実習

6月15日(土)、当館にも程近くの桜美林大学で学芸員課程を履修されている皆さんが見学実習のため来館しました。
先月も別の大学が当館で行った実習の様子をブログでお伝えしましたが、今回は資料の取り扱いではなく、博物館や学芸員が担う役割、当館のボランティア活動など、博物館業務の総合的なことについての学習です。

この来館実習では、はじめに概説(座学)をした後、1時間かけてじっくりバックヤード見学を行いました。

轟音とともに博物館のために動く機械設備たち。

まずは、案内を担当した生物担当学芸員イチオシの空調機械室の見学です。ここは、通常のイベントとして実施しているバックヤードツアーでも立ち入ることがない、いわば博物館の心臓部です。常に温湿度管理を必要とする収蔵庫内の調温などをつかさどる冷温水発生機や、異常がないか24時間体制で監視するためのコントロール室などを見て回ります。

博物館の心臓部分にあたる冷温水発生機です。

その後、資料の搬出入のためのスペース、受け入れた資料の洗浄や燻蒸(くんじょう)を行うための部屋、当館が収集した分野別の資料の収蔵庫などを見学しました。
バックヤードツアーというと、ついつい資料がズラリと並ぶ収蔵庫に目が行きがちですが、収集した資料に対する作業のためのスペースや、資料を後世に引き継ぎ、活用できる状態を維持するために必要なこと、有事の際の安全設備についても紹介しました。

しっかりメモを取って見学しています。

博物館の中で利用者の方が目にしている部分はほんの一部で、皆さまにとっても資料にとっても、博物館が安心で快適な場所であるためにはどのような工夫が凝らされているのかということを知っていただけたようです。

(歴史担当学芸員)

※画像は全て了承のもと掲載しています。

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