クビアカツヤカミキリの緊急調査

クビアカツヤカミキリは、幼虫がサクラやモモなどの木の幹を食害し甚大な被害を与えることが問題になっている外来種のカミキリムシです。
神奈川県内では2021年に初めて確認された種ですが、この7月2日についに相模原市内でも発見されました。
外来種対策は初動がたいへん重要で、侵入初期にきちんと発見・対策することにより個体数の急激な増加を抑制することも可能と考えられます。
そのため、博物館から近い淵野辺公園や鹿沼公園、周辺の街路樹等を回り、このカミキリムシの餌となるサクラの木を確認しながら発生状況調査を行いました。

サクラが多く植えられている市内の公園

成虫がいないか、さらに、木の中にいる幼虫が排出するおがくず状の「フラス」がないか、木を1本1本確かめます。
途中、ひやりとする場面も。

大量の「フラス」を発見!

上の写真の「フラス」については、おそらく別の在来種のカミキリムシによるものです。

キマダラカメムシ

サクラの樹幹を見ているとよく出会うのが、こちらも外来生物であるキマダラカメムシ。ただし、こちらはサクラに対して重大な被害は与えないようです。

調査の結果、少なくとも博物館の周辺ではクビアカツヤカミキリとその被害木は確認されませんでした。

クビアカツヤカミキリに関する市の発表(PDF直リンク)にあるとおり、今回は発見場所の周辺で追加個体等の確認がされていません。そのため、車両等に便乗して移動してきた個体が偶然発見された可能性もあります。
ただし、外来生物の侵入当初は個体数の密度が低く発見がしづらいことから、今後も注意深くモニタリングを実施しようと考えています。

(動物担当学芸員)

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