7月13日、前日までに羽化したオスに続いて、メスが羽化しました。メスはオスよりも一回り大きく、お腹にたくさんの卵を持っています。
そして、腹部の先から誘引腺を出し、オスを呼ぶフェロモンを漂わせます。
オスは触覚でそのフェロモンを感じ取り、メスの方へと引き寄せられ、交尾します。その様子を動画に撮影したのでご覧ください。
半日ほどこのまま交尾させ、引き離してメスを「たね紙(卵を産ませる紙)」の上に乗せると、さらに半日ほどしてから産卵を開始します。そうして産卵が終わったたね紙はこのとおり。
約500個の卵を産みました。
これで、今期のカイコの飼育は終了となります。カイコの成虫には口が無いので、飲むことも食べることもできません。このまま10日から2週間ほどで静かに一生を終えます。
ところで、幼虫の飼育中に、クワの木についているクワコを見つけました。カイコと祖先を同じくする野生の蛾です。それをカイコと同じように育てていたのですが、クワコも7月17日に羽化していました。
カイコと比べて野性味があり、シャープで美しい蛾です。
こちらもせっかくなので、飼育展示に出しています。
飼育展示は今週いっぱい継続しますので、ご来館の際にはぜひ、カイコガとクワコをご覧ください。
(生物担当学芸員)