7月17日、博物館のクワの木を剪定しました。来年のカイコの飼育のために、2年枝(前年に伸びた枝)についた、状態の良い葉をたくさん茂らせるためです。今のうちに剪定しておけば、今年中にまた条(枝)をたくさん伸ばしてくれるでしょう。そんな作業を汗だくでやっていると、近くのエノキの葉の上に、こんな虫が乗っていました。
ベッコウハゴロモの幼虫のようです。おしりに、扇を広げたような黄色っぽいふさふさを付けています。これは、蝋(ろう)状の物質を排泄し、それがこのような形になってついているそうです。おそらく、身を守るためのものだと思われますが・・いったいこれで本当に守れるのか不思議です。
ハゴロモ類は、大きく分けてセミに近い仲間なので顔つきもなんとなくセミに似ていますが・・
ユーモラスな顔をしています。眼の部分に縞模様があり、これと黒い点が瞳に見えるので、ちょっと困った顔つきに見えますね。黒い点は偽瞳孔(ぎどうこう)と言って、複眼の一部が影になって黒く見えているだけなので、実際は困っているわけでもしょんぼりしているわけでもありません。
博物館の敷地内ではすでにニイニイゼミがたくさん鳴いていますが、この日はミンミンゼミの鳴き声を今年初めて聴きました。夏本番ですね。
(生物担当学芸員)