出勤途中、館の近くの草むらで葉っぱが不自然に揺れていました。
イネ科の草の上で、何やら黒い塊がもぞもぞしています。
そっと近づくと、オオハキリバチというハチのペアだとわかりました。
メスの上にオスが乗り、交尾姿勢に入るところのようです。
オスが大あごでメスの頭部をくわえています。
オオハキリバチは館の回りでも時折見かけるハチですが、このようにペアでいるところを観察したのははじめてです。
ハキリバチのなかまの多くは、その名のとおり成虫が植物の葉っぱを切り取り、幼虫が育つ巣の材料にするという変わった生態を持っています。
(ちなみに上の写真のオオハキリバチは、ハキリバチの仲間なのに葉っぱを切らないそうです。)
博物館のまわりのヌスビトハギにも、ハキリバチのなかまが葉を切った跡が残っていました。
きれいな円形に切り取っていて美しいです。
この葉っぱを切ったのがどんなハキリバチなのかはまだ分かっていません。
葉を切るところもぜひ観察したいと思っています。
(動物担当学芸員)