先日のブログでも紹介した外来種のチョウ、アカボシゴマダラが博物館の中庭のガラスにとまっていました。
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ガラスにとまっています
チョウのなかまでは、翅(はね)を開いたときに見える面(背中側)を「表面」と呼び、反対に、翅を閉じたときに見える面(おなか側)を「裏面」と呼びます。
つまり、この個体でいま見えているのは翅の「裏面」です。
表面と裏面は先日のブログの写真で見比べることができます。アカボシゴマダラについては表と裏で模様にほとんど違いがありませんが、シジミチョウのなかまなどでは模様が大きく異なる場合もあります。
さて、この個体はガラス面にとまっていたので、普段なかなか見ることのできない、チョウのもうひとつの「ウラ側」も見ることができました。
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アカボシゴマダラのおなか側。下が頭です。
頭の黄色の部分がよく目立ちます。これは、アカボシゴマダラの口、「口吻(こうふん)」です。なぜ黄色なのか、とても不思議です。
ところで、脚(あし)の数は何本にみえるでしょうか?通常、昆虫の脚の数は6本ですが…。
実は、アカボシゴマダラを含むタテハチョウ科のほとんどの種では、前脚がとても小さく、体に沿ってたたまれています。そのため、見かけ上は脚が4本に見えるのです。
体をウラ側からみると、普段とは違う視点で体のつくりを観察できるので面白いですね。
(動物担当学芸員)