前回のブログの調査の主たる目的は、アゲハチョウのなかまの外来種、ホソオチョウの観察でした。
このチョウは県内での記録があまり多くなく、「神奈川県昆虫誌III」によると、相模原市では緑区を中心にぽつぽつと報告されているようです。
なかなか実物を見る機会がないチョウだったのですが、佐野川でいつもお世話になっている方から発見の情報を教えていただき、現地に急行しました。
結論から言ってしまうと、一頭の成虫がひらひらと飛んでいるのは確認できたものの、写真に収めることはできませんでした。
しかし、今回は成虫よりももっと面白い(!?)ものを観察することができました。
ホソオチョウの幼虫です!
頭に近い部分の二本のツノ状の突起や、体のイボイボや黄色の模様など、とても面白い形をしています。
幼虫がいたのはウマノスズクサという植物です。
在来種のジャコウアゲハというアゲハチョウの幼虫もこの植物を食べるので、競合が心配されています。
あまりの面白さに、何枚も写真を撮ってしまいました。
成虫を写真に収められたら、またブログで紹介したいと思います。
さて、調査地の周辺ではもう一種、面白い昆虫が観察できました。
ススキにとまっていた、アカハネナガウンカです。
濃いオレンジの体に長い翅(はね)。その名のとおりの体をしています。
近づくとちょこちょこと動き回り、とてもユーモラスです。
白い複眼(ふくがん)と、黒目のようにも見える偽瞳孔(ぎどうこう)のおかげで、まるでこちらを見ているかのような顔立ちをしていますね。
(動物担当学芸員)