先日、市内南区の相模川沿いにある公園で、こんなキノコが群生しているのを見ました。
オオシロカラカサタケと思われます。もともと暖地性のキノコなのですが、近年、公園の芝生などによく見られるようになりました。
幼菌はかわいらしく、成長して傘を広げると直径15センチメートルくらいになる立派な姿をしています。が・・・毒キノコです。誤食すると激しい胃腸症状を引き起こします。雑木林によく生えている、食用のカラカサタケと色合い以外よく似ているので、注意が必要です。
ただ、カラカサタケ自体も、一見すると猛毒のキノコが多いテングタケの仲間によく似ています。
野外観察会などでキノコを観察していると、「これは食べられますか?」ときかれることがよくあります。そんなときはちょっと意地悪く「食べてみたらわかるかもしれません。命の保証はできませんが・・」と答えます。キノコ採りの初心者は、野外で自分が見つけたキノコを食べてはいけません。地元の「キノコ採り名人」の指導のもとで採集したキノコだけを食べるべきです。キノコは種類がとても多く、図鑑に掲載されていないものの方が多いくらいです。間違った迷信や、ネット上にも誤情報があふれています。そうした情報を決してあてにしないでください。
「食べられるかどうか」より、キノコ、すなわちカビの仲間が、生態系の中の分解者として有機物を無機物へと分解する極めて重要な役割を担っている存在であることを意識していただきたいと思います。
(生物担当学芸員)