間違えやすい植物

博物館のまわりでは今、カラスノゴマという植物が黄色い花をたくさん咲かせています。

カラスノゴマ

いろいろ想像させてくれる素敵なネーミングの植物なのですが、この名前、どうも言い間違えや覚え間違えが多発します。なぜかというと、すぐ隣にはこんな花が咲いているのです。

キツネノマゴ

こちらは、キツネノマゴ。ちょっとした草地の、どこにでもある雑草なのですが、同時に出てくると「キツネノゴマ?」「カラスノマゴ?」となってしまいがちです。
同様に、こちらの植物はよくある外来の雑草で、ヨウシュヤマゴボウと言います。

ヨウシュヤマゴボウ

観察会などで紹介すると、たいてい、「ヨウシュヤマブドウって言うんですか!なるほど、確かにブドウみたいな実がなってますね。」となります。いえいえ、ゴボウです。しかも有毒で・・と説明することに。さらにまぎらわしいのは、この有毒植物に近い仲間のヤマゴボウという薬用植物があるのですが、どちらもヤマゴボウ科で、根がゴボウ状になって似ているからというネーミングです。しかし、山菜などで売られる「山ごぼう」は野菜のゴボウに近縁の、キク科のモリアザミなどの根です。
観察会あるあるの聞き間違えといえば、こちらも。タケニグサです。

タケニグサ

「ああ、猛々(たけだけ)しく育っているからタケリグサ!」とリアクションされてしまいがちです。しかしこちらは、竹に似て茎が中空(ストロー状)だから、という由来のネーミングです。
いずれにしても、言い間違え、聞き間違え、読み間違えしやすいネーミングもまた、観察会の楽しいネタとして使っています。そんなやりとりをすることで、後で印象に残るからです。
(生物担当学芸員)

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