シンジュキノカワガという変わった名前の蛾がいます。
中国大陸から飛来するものの定着はしていない「偶産種」と言われる蛾ですが、今年は関東近郊でもかなりの数が見つかっているとSNS等で話題になっています。
そこで、相模川河川敷での調査の折にこの蛾を探してみることにしました。
幼虫が食べるニワウルシ(別名シンジュ)の木を探します。
その木の幹をよく見ると、不自然な膨らみが…。
早速見つかりました!シンジュキノカワガの繭です!
木の幹そっくりです。どれが繭かわかるでしょうか?
同じ木の葉っぱには何かに食べられた痕跡がありましたが、既に幼虫はいませんでした。
これがシンジュキノカワガの食痕なのかはよくわかりません。
幹についた繭は何個もあり、なかには生きた蛹が入ってるものもありました。
せっかくなので、持ち帰り観察することにしました。
現在、持ち帰ってから2日ほどが過ぎ、蛹の表面に成虫の体の模様が浮かび上がってきました。羽化が近いというサインです。
うまく羽化すれば、美しい成虫の写真もご紹介できるかもしれません。
(動物担当学芸員)