1月18日、毎月恒例の生きものミニサロンを実施しました。テーマは「植物たちの春の準備を観察しよう!」として、ロゼット葉や冬芽(休眠芽)を参加者のみなさんと観察しました。
ロゼット葉(よう)とは、根から直接出た葉が地面に張り付くように放射状に広がる様子を表す植物用語です。タンポポの葉を思い浮かべていただくとよいでしょう。雑草としておなじみのハルジオンのロゼット葉を観察しています。
他にも、オオバコやヘラオオバコ、そしてロゼット葉も葉裏が白い、ウラジロチチコグサなどを観察しました。植物に関心のある小学生の参加者がいて、興味深そうに観察してくれました。
続いて、冬芽の観察の前にちょっと寄り道です。ナツヅタのつるを切って、染み出てくる樹液をなめてみました。
「ちょっと甘い!」
これは春の準備というよりも、厳しい冬をしのぐための工夫でしょうか。糖分を含む樹液は凍りにくいためだと思われます。
さて、いよいよ冬芽の観察です。いろいろな冬芽がある中で、今回は「悪い顔の冬芽を探す!」をミッションとしました。そして、それをスマホで撮影に挑戦するために、こんなツールを使っていただきました。
繰り出し式のルーペです。これを指に挟み、スマホのレンズに当てて撮影します。
すると、こんな画像が撮影できます。簡易のマクロ(接写)レンズですね。
ちょっと難しいけど、頑張って撮影しています。
撮影した「悪い顔」をみなさんと見せ合いました。
怪物が口を丸く開けているように見える、ヒメコウゾの冬芽と葉痕(ようこん:葉が落ちた痕)です。
悪い顔だけではちょっと気分も悪くなりそうだったので、サンショウの枝にいるエンジェルも撮影してもらいました。
冬芽やロゼット葉の観察はちょっと地味な内容かな、と心配もしましたが、みなさんとても盛り上がって観察してくれました。
次回は2月15日(土)12時からです。
(生物担当学芸員)