昨年2月に、博物館前庭のクヌギの、根元から枝分かれしたうちの北側の1本を伐採しました。その様子はこちらのブログに書いています。その中でも触れていますが、年輪を数えると、クヌギとしては老齢木と言える75年以上の樹齢であることがわかりました。またここ数年、根元に「枯れ始めているサイン」であるナラタケの大量発生があり、昨年秋にもやはり残った根元にナラタケが発生していました。
木全体が不健康な状態にあることが推測されたため、南側に残っていた1本も伐採することになり、1月20日に実施されました。
上の写真は本日、1月21日に撮影したものですが、段階を追って写真を並べてみます。まずは伐採前の2023年12月の写真です。
こちらは、北側を伐採した2024年2月です。
そして正面から2023年12月初旬の様子です。
こちらは本日、2025年1月21日の正面からの写真です。
年輪を数えてみると、やはり70年~80年の間であることがわかりましたが、不明瞭な部分が多くてはっきりはわかりませんでした。
大きな木が伐られるとちょっと寂しい気分になりますが、木にも寿命があります。クヌギは本来、明るい場所で早く成長し、長命な木ではありません。適正に伐採していかないと落枝や倒伏の可能性が高まり、大変危険な状態になります。時間はかかりますが、また別の木が成長して緑を回復してくれるのを気長に待ちたいと思います。
(生物担当学芸員)