梅にメジロ

ウメが満開になっています。
そのウメの枝から、チィチィと鳴き声が聞こえます。声の主はメジロです。

ウメの花の蜜をすうメジロ

一つ一つの花に嘴を差し込み、蜜を吸っています。

器用な姿勢で吸っています

いろいろな姿勢で蜜を吸う姿はとてもかわいいですね。
ところで、日本の伝統のカードゲームである花札には、梅に鶯(うぐいす)という絵札があります。そこに描かれた鳥は、緑がかった小鳥です。しかし、開花したウメにウグイスがとまるのはちょっと不自然です(絶対にとまらないとは言えませんが・・)。ウグイスはヤブを好む鳥ですし、そもそもウグイスの羽色には緑の要素はほぼありません。絵札の図案も、喉からお腹にかけて黄色いので、まさしくメジロの姿です。

ウグイス

おそらく、花鳥風月に馴染の鳥であるウグイスとウメを合わせたいというゲームの作者の思いがこのような絵札を作ったのではないかと思われます。日本の伝統色の「鶯色」は、下の図の左側です。一般に鶯色と誤解されている緑がかった色は「萌黄(もえぎ)色」です。

鶯色(左)と萌黄色(右)

ウメにメジロ。季節を感じる正しい組み合わせですね。


(生物担当学芸員)

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