ドバトの羽根

2月20日、博物館前庭に、鳥の羽根がたくさん落ちていたと連絡が入りました。来館者が多く通る場所だったため、すでに片付けられていましたが、主だった羽根を回収しました。その一部が下の写真です。

ドバトの尾羽(左)と風切羽(右)

ドバト(別名 伝書鳩)の羽根でした。こうして大きめの羽根である、尾羽や風切(かざきり)羽がまとまって落ちているのは、タカの仕業です。博物館周辺には冬の間、オオタカやハイタカ、ツミなどの猛禽(もうきん)類が生息しています。ハトを襲うとすれば、オオタカの可能性が高いのですが、確定はできません。オオタカなどは、獲物の野鳥を仕留めると、その場で翼の羽根や尾羽など大きめの羽根をできるだけ抜き取り、運びやすくします。そうしてお気に入りの食事場所まで運んでゆっくり食べるのです。ネコなどが襲った場合には、翼を引きちぎるなどして血痕が多く残るので、食痕だけでもどちらの仕業かわかるのです。
ドバトの羽根は尾羽にも風切羽にも特徴がありますが、もう一つ、首から胸にかけての光沢のある羽根が残るのも特徴です。

首から胸にかけての、緑色や紫色の光沢のある体羽

これは、オスにとってはアピールポイントのようで、メスへの求愛行動の時には首を膨らませて光沢部分を強調します。

メスへ求愛するドバトのオス(右)

緑色や紫の金属光沢を強調しています

そういえば最近、駐車場にドバトの小さな群がよく降り立っていました。そのうちの1羽が犠牲になったのかもしれませんね。
(生物担当学芸員)

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