本年度初の試みとして、甲州道中における各都県で唯一現存する本陣建物を有する相模原市と日野市による連携事業「令和6年度 相模原市×日野市 甲州道中本陣連携事業」を実施しました。本事業では、全4回の歴史講座や特別展と本陣見学会、ミニ展示などの様々な企画をとおして、相模原・日野の両市を舞台に甲州道中と本陣を取り巻く歴史文化について発信してまいりました。
当館で開催したミニ展示と歴史講座の様子は、次のリンクからご覧いただけます。(ミニ展示、歴史講座①・②・③・④)
このブログでも紹介しているとおり、ミニ展示は当館が昨年受け入れた歴史分野の博物館実習生が制作したものです。実習生たちの集大成であるミニ展示「甲州道中と明治天皇巡幸」を、令和7年3月20日(木・祝)から吉野宿ふじやで出張展示します。

ミニ展示の様子
このミニ展示では、明治天皇の「巡幸(=天皇が各地をまわること)」に注目し、相模原市域の甲州道中にもゆかりがある明治13(1880)年の巡幸について取り上げています。
明治5(1872)~同18(1885)年の間、明治天皇によって6度にわたり行われた大規模な巡幸を「六大巡幸」と言います。うち、第4回目となる明治13(1880)年の巡幸では、吉野宿本陣に行在所(=巡幸の際の臨時の滞在場所)が置かれ、6月17日に明治天皇御一行がお昼休憩を取られたという記録が残っています。

パネルや地図を使って紹介しています。
会場の吉野宿ふじやの1階には、今回の出張ミニ展示と関わりが深い「行在所」の立て看板や、「五層楼」と呼ばれた木造5階建ての吉野宿本陣(明治29(1896)年の吉野駅大火により焼失)のミニチュア復元模型などが常設展示されています。ぜひミニ展示と合わせてご覧いただきたいと思います。

行在所(あんざいしょ)の立て看板(常設)

吉野宿本陣の復元模型(常設)
展示期間は6月29日(日)までですが、吉野宿ふじやは土・日・祝日のみ開館のため、開催日にはご注意ください!展示の詳細はこちらからご確認いただけます。
(歴史担当学芸員)