3月22日、市内の生息地で行われたギフチョウの調査に参加してきました。神奈川県の天然記念物であるギフチョウの調査ということで、調査は神奈川県が主催し、特別な許可のもと実施されています。

調査の様子
今回は残念ながらギフチョウを確認することはできませんでした。例年に比べ、成虫の発生が遅れているようです。
ギフチョウを待つ間、ルリタテハや、ハチの仲間のキンケハラナガツチバチなど、何種かの昆虫を観察することができました。

ルリタテハ

ルリタテハの羽のウラ側

キンケハラナガツチバチ
今回の調査の目的のひとつは、現地における生息状況の確認です。そしてもう一つの重要な目的が、人により他の県から持ち込まれた個体がいないかを確認することです。
市内の生息地とその周辺では、過去に(つい昨年も!)他県産のギフチョウが持ち込まれたことがあります。持ち込まれた他県産のギフチョウが、神奈川にもともと生息していた在来のギフチョウと交雑してしまうと、在来のギフチョウに固有の遺伝子は永遠に失われてしまいます。そのため、他県産の個体がいないかを確認することは、神奈川在来のギフチョウを保全するうえでとても重要です。
博物館では、今後も神奈川在来のギフチョウの保全活動に参加していきたいと思います。
(動物担当学芸員)