雑種タンポポの形

今年はカントウタンポポ(在来種)をはじめとしたタンポポの開花が遅いと、このブログで何度か書きました。4月中旬に入り、開花がぐんぐんと進み、博物館周辺でも地面に黄色が目立つようになってきました。
博物館の駐車場側には雑種(カントウタンポポ×セイヨウタンポポ)が多く、そちらもたくさん咲き出しています。今回は、雑種の総苞(花の受け皿の部分)の形をいくつか紹介します。まずは、カントウタンポポそっくりの雑種です。

識別が難しい雑種タンポポ

これは一見するとカントウタンポポのように総苞がしっかりまとまっていますが、違いは、総苞片の先です。カントウタンポポは、角のような突起があるのが特徴です。

カントウタンポポ 総苞片が見やすいよう、閉じた花の写真です

こちらは、総苞がほぼまとまっているものの、数片の総苞外片(外側の総苞片)が離れています。これも雑種の証です。

惜しい!と言いたくなるような雑種タンポポ

そして、総苞外片のまとまりが悪いこちらも雑種です。

ここまで開いていると、雑種とすぐにわかります

さらに、総苞外片がほぼ開いてしまっているこちらは、一見するとセイヨウタンポポのようなのですが、セイヨウタンポポはもっとはっきりと下へ反り返るので、こちらも雑種です。現在、路傍などで見られるタンポポのほとんどがこのタイプです。

セイヨウタンポポ、と言いたくなりますが、こちらも雑種

そして、典型的なセイヨウタンポポはこちらです。現在、このようなはっきりとしたセイヨウタンポポはあまり見られなくなりました。

こちらが、典型的なセイヨウタンポポ

21世紀に入ったころから、タンポポの世界もだいぶ様変わりしています。これからどのように変化していくのか、興味が尽きません。
(生物担当学芸員)

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