路傍にいろいろな草花が咲き出して楽しい毎日です。今回は、花がとても小さくて似た者同士の花を紹介します。
まずは、キュウリグサです。花はとても小さくて、直径2~3ミリメートルくらいしかありません。

キュウリグサ
茎や葉を指で揉んでにおいを嗅ぐと、少し青臭くてその名のとおり、キュウリのようなにおいがします。花をアップにすると、園芸種のワスレナグサに似ています。それもそのはず、同じムラサキ科の植物です。キュウリグサの花の特徴は、中心部分に黄色い縁取りがあることです。

キュウリグサの花のアップ
そして、同じように道端などで普通に見られる、キュウリグサとそっくりな植物、ハナイバナです。

ハナイバナ
キュウリグサとハナイバナは、同じくムラサキ科なので似ていてもおかしくはないのですが、細かく見ていくといろいろと違いがあります。キュウリグサは、茎がスルスルと伸びて、上の方に花がたくさん並びます。花の近くに着く葉は小さく目立ちません。一方、ハナイバナは、葉が目立ち、葉の間に花が着くよう見えるので「葉内花(はないばな)」と名付けられたようです。
そして、最大の違いは、ハナイバナの花の中心部分には黄色味がありません。
同じような環境に生えているのに、明らかな違いがあります。小さくてもこれだけはっきりとした花が咲くということは、その花を目指して訪れる虫がいるということです。どんな虫が来るのか、気になりますね、今度、これらの花の前でじっくり観察してみたいと思います。
(生物担当学芸員)