津久井湖城山公園で自然観察会

大型連休初日の4月26日、県立津久井湖城山公園で自然観察会「春の城山 森歩き」が行われ、当館生物担当学芸員が講師としてお手伝いしてきました。この観察会は、城山の多様な森の様子をのんびり歩きながら体感することを中心に企画されました。
ここ数日の中ではちょっと肌寒さを感じるくらいの気温で、つまり、山歩きには最高のコンディションです。同公園の「花の苑池」を出発し、「神奈川の美林50選」に選ばれた「江川ヒノキ」の樹林に入ります。クロツグミやキビタキ、オオルリといった夏鳥が美声を響かせていました。20名超の参加者全員で耳を澄まして堪能しました。

江川ヒノキの美林内で夏鳥のさえずりに耳を澄ませます

2週間前に下見をした際にはまだ咲いていなかった様々な春の花が咲いていました。こちらはイカリソウです。

イカリソウ

江川ヒノキの森を過ぎると、モミやカヤなどの針葉樹に、常緑広葉樹、落葉広葉樹などが入り混じり、森の様子が変化します。ナラ枯れによってコナラが伐採されたあとには、陽樹(日当たりの良い場所で早く成長する木)のカラスザンショウがたくさん伸びていました。カラスザンショウと言えば、葉痕(ようこん)のにっこりマークです。

昨年の葉が落ちた痕の葉痕(ようこん)が笑顔に見えるカラスザンショウ

参加者のみなさんも喜んで写真を撮っていました。こちらはハナイカダです。

ハナイカダ

葉の上にちょこんと乗った花がかわいらしく、人気でした。
途中、ミツバウツギやコバノガマズミなども咲きそろっていて、春が一気に進んでいるのを感じられました。ジュウニヒトエも満開です。

ジュウニヒトエ

城山は、美しい木々や草花が多い一方、危険な植物もあります。ツタウルシです。

幹にからみつくツタウルシ

特に瑞々しい新緑の季節は、毒成分も強くて危険です。参加者のみなさんにも、決して触れないよう注意を促しました。
山頂へは行かず、ふもとをぐるりと回るのんびりコースでしたが、しっかり山道を進み、たっぷり2時間半の行程を楽しく歩くことができました。
(生物担当学芸員)

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 タグ: , , , パーマリンク