土器を「さわる」ということ

27日(日)に土器×2タッチを行い、95名の方に参加していただきました。
参加者に「レプリカですか?」とご質問いただき、自信をもって「本物です!」と答えています。

さて、土器をさわることはどのような効果があるのか、考えてみます。
そもそも、ヒトはなにかをさわるとどう感じるか?
触覚を言語化すると以下のように考えられます。
冷たい・熱い 硬い・柔らかい ツルツル・ザラザラ 軽い・重い
分かりやすいのが「握手」。掌がゴツゴツなのか、細身なのか。何気ない人柄を間接的に感じる場合も。

ザラザラした石皿(手前)もあります。

立体的な装飾がある土器も。

来館者の年齢層は高齢の方が多く、お子さんは家族で来館される場合が多いです。
お子さんに遺跡を「歴史」の視点から、座学で理解してもらうのはなかなか難しいです。
小学校高学年なら学校で習いますが、それでも限界を感じます。

それでは「体験」ではどうでしょうか?
小さいお子さんでも、硬い・柔らかい、ツルツル・ザラザラなどは理解できます。
歴史の認識は年齢を追うごとに深まりますが、体験は年齢に左右されずにみなさんが感じるものと捉えています。
そしてさわったから、気づくこと・わかることがあります。

5000年前の縄文土器の立体装飾 土器の口縁部についていました

土器・石器が歴史の断片であることは間違いなく、さわる体験から昔の生活の一部だけでも実感できればと考えています。
幼いころ何気なく博物館でさわった土器の思い出が、遺跡や地域史への関心を引き出す契機となるかもしれません。

ご来館し、ぜひタッチしてください!(今年度の開催予定日はこちら
(考古担当学芸員)

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