ヤブランが満開

博物館の前庭では、ヤブランが満開です。

この花は「ラン」と名前がつくものの、ラン科ではありません。ユリ科、あるいは最新の分類法ではキジカクシ科の植物です。花を拡大すると・・

ちょっとランには見えませんね。6枚の花被片がユリに近いなかまであることを示しています。林床の暗いところ=やぶに生えていて葉がランのようだから、というのが語源でしょう。でも、淡いあやめ色のかわいらしい花は、拡大してもじゅうぶん鑑賞に堪えます。

ほかにも、葉が似ているというだけでランとつく植物があります。タケシマラン(ユリ科)やタヌキラン(カヤツリグサ科)などいろいろ。でも、ハゼラン(スベリヒユ科)などはなにをもってランとつくのかよくわかりません。

ハゼラン

ところで、ランというと、美しく高貴な花の象徴のように感じられますし、実際、花屋さんにおけるランは高嶺ならぬ「高値の花」。野生ランも、生きもの好きにとって「出会えるだけで嬉しい」宝石のような存在です。ランの英名は、Orchid(オーキッド)。これはギリシャ語のOrchisが語源と言われています。さてこのOrchis がなにを意味するかは・・ここでは堂々と書けません。植物の分野では有名な話なので、ネット上でも簡単に見つけられます。ぜひ調べてみてください。

(生物担当学芸員 秋山)

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