こんなところにエノキ

窓際の席で仕事をしていたら、窓の外で風に揺れるものがあります。

エノキの幼木でした。

2階の部屋の外は、二重になった外壁の間になるので、いわば屋根の上。「生えるべき場所でないところ」に生えてしまったということになります。窓を開けてよく見たら、コナラやヒメジョオンもありました。

エノキは果実を鳥が食べてフンに種子がまじっていたのでしょう。鳥による種子散布の現場を見た気分です。ヒメジョオンは風に乗って。コナラは近くに木があるので、ぽろりとここへ落ちてしまったのかも。いずれにしても、異なる種子散布の方法をとる植物が同居する結果となりました。

でも、ヒメジョオンはよいとしても、コナラやエノキは大きくなったら建物の維持管理上好ましくないので、いずれ伐られる運命にあります。こんな日当たりもあまりよくない場所でせっかく伸びてきたのに、ちょっと気の毒にも思いますが・・。

(生物担当学芸員 秋山)

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