地質調査日誌10/18 丹波山村

10月18日,金曜日.曇り.
18日は奥多摩湖の上流の丹波山村で資料採集を行いました.

奥多摩湖より,紅葉が少し進んでいます.この辺りの多摩川も谷が深いです.

斜面も急です.一番上の家のあたりを国道が通っています.

今日も砂岩を中心に資料採集しました.多摩川沿いの崖.全体が砂岩でできています.

こちらは上の写真のすぐ対岸.泥と砂が交互にたまったものが固められた岩石です.それが,後から力を受けて砂岩が切れ切れになっています.色の薄い部分が砂岩です.川の両岸で露出している岩石が違います.

この辺りの川砂は上流から運ばれてきた黒雲母が表面にたくさん見られます.黒雲母は風化して金色に見えます.

石垣はすぐ下の川原の砂岩を使用しているようです.

多摩川の支流,後山川の支流.小さな沢ですが,傾斜がきつい上,水量が多く小さな滝の連続です.というか,沢全体が滝のようです.

ここでは泥岩の中に大小さまざまな岩石のかたまり(岩塊)が含まれている岩石(含礫泥岩)が見られました.プレートの沈み込みや,大規模な海底地滑り等によってできます.ここの含礫泥岩中の岩塊は砂岩や石灰岩です.

石灰岩の岩塊は時には数メートルを超えるものがありました.左の白っぽい部分が石灰岩の岩塊です.大きな石灰岩を採石していたようです.

今回調査したところが相模原の礫岩の礫の“ふるさと”かどうかは,持ち帰った資料を詳しく調べてみないと分かりません.採集した資料を顕微鏡で詳しく調べ,礫岩中の礫と比較していきます.地道な作業なので結果が出るまで,しばらく時間がかかります.
(地質担当学芸員 河尻)

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