この3日ほど、博物館お隣の樹林地で、野鳥に足環をつける調査を行いました。
これは鳥類標識調査として環境省と(財)山階鳥類研究所が主体となって行っているもので、野鳥の分布や移動を調べるほか、なかなかデータのとりにくい外部計測値や形態に関する知見などさまざまな情報が得られる大規模で長期的な調査です。こんな足環を付けます。
しかし、足環をつけるからには、野鳥をつかまえなくてはいけません。また、直接野鳥を取り扱うわけですから、高度な専門知識と技術が必要です。その標識調査者の資格を持つ人と博物館が協同で調査を行ったわけです。カスミ網でつかまえた野鳥に手早く足環をつけ、さまざまな計測などをしてすぐに放鳥するのですが、野鳥が健康で元気なら、記録用の写真も撮影します。記録用と言いながら、エナガを捕獲したときは、そのかわいらしさに圧倒されました。
また、コゲラという小型のキツツキのオスは、ふだん間近で見ることができない、頭部の赤い模様の鮮やかさに驚かされました。
日の出前から日の入りまで、なかなかハードな調査でしたが、調査をしながらいろいろなことを学ぶことができました。
※カスミ網は、一般には販売や所持などが禁止されています。こうした調査に限って使用が認められ、調査者へ貸与されているものです。
(生物担当学芸員 秋山)