昨日、博物館へ市民の方が骨を持ってこられました。なんでも、相模川河口の砂浜で拾われたそうです。
みょうに長方形、そして、断面がきれいに割れています。正直言って骨は皆目わかりません。ましてや海のものとなればなおさら・・。よほどきれいに原型をとどめている頭骨でもなければ、見当もつきません。海で拾ったということは、海棲哺乳類?しかし哺乳類でこんな平べったい骨、見たことないし・・。
今日、たまたま博物館へ用事で来ていた同業者のS君に写真を見せたところ、「ウミガメですよ」と即答。なんでも、高校時代にウミガメの解剖を「やらされた」ことがあるとか。同時に、問い合わせをしていた別の博物館の学芸員からも「ウミガメでしょう」とのメールが入りました。背甲のパーツで、なるほど、肋骨と癒着している部分がわかります。板チョコを割ったようなきれいな断面も、甲羅と言われれば納得です。
博物館学芸員の大切な財産のひとつは、人のつながりです。展示資料の貸し借りはもちろんですが、どうしても、専門外の質問相談にお答えしなくてはいけないことが多々あります。そんな時、ネットワークを駆使してカバーするのも私たちのテクニックです。そして自分自身も勉強になり、スッキリと質問された方に連絡差し上げることができるというわけです。メデタシメデタシ。
(生物担当学芸員 秋山)