先日、木の実草の実のようすから冬鳥の食糧事情がわかるという記事を書きました。その時はまだ「どちらかというと不人気な」木の実がたわわに残っていました。
今朝、通勤途中の庭木のトキワサンザシ(通称ピラカンサ)に、ムクドリの群が舞い降りているのが見えました。近づいたらムクドリは飛び去ってしまいましたが・・。
冬に庭で真っ赤に実り、春まで実が食べられずに残ることもあるトキワサンザシは、「不人気木の実」の代表格と言えます。上の写真ではまだ果実がたっぷりと残っていますが、真下の地面には、啄み痕のある実がたくさん落ちていました。
さては、北方の木の実が食べ尽くされて、小鳥たちの群が南下してきている可能性があります。今年はちょっと遅めですが、冬鳥の季節到来かも。
そんなことを考えながら展示室の開室をしていたら、中庭のガラスから「ゴンッ」と音がしました。嫌な予感がして近づくと、
メジロが地面でうずくまっています。ガラスに衝突してしまったのでしょう。
博物館はガラス壁面が多いので、たまにこうして落鳥してしまう鳥がいます。このメジロは、出血も無いし、自立しているのでまだ望みがあります。脳しんとうを起こしたのでしょう。5分ほどじっとしていましたが、フッと思い出したように無事、飛び去りました。よかったよかった。この時期は、猛禽に追われてぶつかる鳥もいます。お互い食べ物探しに懸命なんですね。私たちには想像もつかないような厳しい冬を生きている野生動物たちに、頭が下がります。
(生物担当学芸員 秋山)