1月25日、土曜日。曇り。
今日は相模原地質研究会と相模原青陵高校地球惑星科学部のメンバーと一緒に厚木市七沢へ調査に出かけました.今回は玉川に沿って調査を進めました。
まずは玉川からそれて石切り場の跡へ。ここは正確には石切り場ではなく、石の加工場の跡、もしくは、斜面の上の方にある石切り場から切り出した石の破片が崩れて来たものかもしれません。石を切り出せるような崖は無く、採石時に出た思われる破片が転がっています。
この辺りはセラドン石を含む凝灰岩が分布しています。河床や川原の転石、砂利などから鮮やかな緑色のセラドン石を採取することができます。
玉川に戻り、上流へ向かうと、数十メートルの切り立った岩壁、弁天岩が見えて来ます。多くのクライマーたちが岩壁に挑んでいました。
大釜弁財天ではポットホール(甌穴)が見られます。ここも凝灰岩のなかまが見られますが、セラドン石は含まれていません。
4〜5段の滝になっています。
日向山を越えて日向薬師へ向かいました。
日向薬師近くの登山道で、スコリアが堆積しているのを見つけました。周囲よりくぼんだ登山道の底面の部分に新鮮なスコリアが見られました。見られるのはここだけで、周囲には見当たりませんでした。富士山の約300年前の宝永噴火の時のスコリアかと思われます。
今回は海底火山噴出物である丹沢層群の調査目的でしたが、それ以外に多くの発見がありました。日向山の山頂からは相模湾、江ノ島も見ることができました。結構盛りだくさんで、有意義な1日でした。
(地質担当学芸員 河尻)