荒れる気配

今回の積雪は自然災害と形容しなくてはいけないようです。市内のとある公園で、積雪によりアカマツの大木が折れて倒れました。幸い、遊具や照明器具などを壊さずに倒れたのですが、これは1本の倒木におさまらない、ちょっと難しい問題を突きつけられる光景です。

数年前に降った春のドカ雪の時は、中山間地のスギ植林地で多くの倒木が発生しました。その年は、夏から秋の台風でまた倒木が目立ちました。いったん倒木が発生すると、そこがギャップになり、風が入って倒木を誘発するのです。

今、市内の雑木林由来の保存樹林の多くが、伐採されないまま半世紀以上過ぎようとしています。緑地として樹林は保存したいけど、樹林を構成する樹木は適正に伐採していかなければ、いずれ風雪や暴風雨により落枝や倒木などの自然災害を引き起こします。この冬のような積雪が今年だけとは限りませんし、ここ数年、大きな台風が立て続けに上陸しているのも事実です。しかし、伐採には大変なコストと労力がかかりますし、無計画な伐採は、上記のように周辺の木の倒木を誘発しかねません。

「待ったなしだよ」と言われているような、公園内の倒木でした。

(生物担当学芸員 秋山)

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