今日は毎月第4土曜日恒例のミニ観察会です。
ただし、先週の大雪がまだたっぷり地面に残っているので、今回は館内で顕微鏡観察をしました。いつもと違う風景・・。
それでもプラネタリウムに来ていた子ども会のみなさんが熱心に観察してくれました。
観察したのは・・まもなく私たちの目や鼻を悩ませるこんなモノ。
スギ花粉です。大きさ約30ミクロン。リンゴのへたのような突起があるのが目印です。「これが原因か!」と恨めしそうに見つめる人も。スギ花粉だけではつまらないので、今、まさに花真っ盛りのツバキの花粉も。
大きい!50ミクロン以上あります。
やっぱりメジロやヒヨドリなど、鳥に運んでもらう花粉だからでしょうか。そして、花粉症の原因と誤解されやすい、セイタカアワダチソウ。
意外と小さいですね。でもセイタカアワダチソウは、黄色い花弁を持つ虫媒花。やや粘着性があって風で花粉は飛びませんから、花粉症の原因にはなりません。観察されている方に“えん罪なんですよ”と説明すると、意外そうな顔をされていました。
それよりも、ちょっと驚いたことがあります。観察会終了後に、せっかくなので花粉の写真を撮ろうと画面を動かしていたら・・
なんと、花粉管を伸ばしてる花粉を見つけました。ちなみにこの花粉は、数年前に採集された乾燥標本からとったものです。プレパラートを作るために水滴をたらしただけなのですが、それが刺激で花粉管が発芽したようです。恐るべき生命力!
外来植物の強さの秘訣を垣間見たような気がしました。ちなみに同じ頃、カバーグラスを封入しなかったので、スギは乾燥と共にほとんどの花粉がパカンと弾けて割れてしまっていました。
(生物担当学芸員 秋山)