研究(室)ってすばらしい!

今日は地元、麻布大学獣医学部動物応用科学科野生動物学研究室の卒論修論発表会にお邪魔してきました。

高槻成紀教授をボスとするこの研究室は、日本の野生大型哺乳類研究の、間違いなく核の一つで、実直で泥臭いフィールドワークを得意としています。私はこの研究室の発表会が大好きで、予定をこじ開けて参加させていただいています。

良い研究室の第一条件は、コミュニケーションが活発であることです。独りよがりで主観に満ちた研究はもはや科学を語れません。学生、大学院生、指導教官がそれぞれ常にコミュニケーションをとり、時にはケンカごしの議論をして、研鑽していくのが良い大学の研究室です。

この研究室の発表はどれも、濃いコミュニケーションの上に作り上げられているのがよくわかります。そして、どの研究も学生さんたちがテーマにとても愛着を持って進めているのがわかります。聴いていて、本当に刺激的で心地よく、あっという間に時間が過ぎました。

哺乳類や鳥、カエルなどのフンを何十個も何百個も集めて洗い出し、顕微鏡で内容物を見たり、リスやネズミによるクルミの食べた跡を何百個も拾い集めたり、マレーシアで数ヶ月もアジアゾウのフンを拾い歩いたり・・。そんな研究の成果を15分で発表するのは酷かもしれませんが、でも、その15分に凝縮された研究生活の総決算、ちょっと感動的でした。

博物館も研究施設としての側面があります。大いに刺激を受けて、また来年度も負けない発表会を企画しようと決意新たにしました。

(生物担当学芸員 秋山)

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