立ち上がる春

度重なる大雪に、春らしからぬ低温にと、待っているときに限って季節は足踏みをするものです。でも今朝、通勤途中に博物館お隣の樹林地をちょっと探したら・・。

フデリンドウが小さな葉と茎、そしてさらに小さな花芽を伸ばしかけていました。大きさ1.5センチほど。毎年4月初旬から3週間くらい、私たちの目を楽しませてくれるフデリンドウも、さすがに今年はちょっと遅めの開花になるかもしれません。それでも、こんな小さな体を地面からぐいと立ち上げている姿を見ていたら、なんだか胸がいっぱいになりました。

今日3月11日は、3年前から特別な日になってしまいました。でも、時間が止まることはないし、季節ももちろん進みます。自然の動きに取り残されないよう、フデリンドウの成長をしばらく見届けようと思います。

(生物担当学芸員 秋山)

カテゴリー: 学芸員のひとりごと パーマリンク