外来種だけど・・まあいいか

博物館の前庭には今、あまり見慣れない白い花が2株、咲いています。

あれ?タンポポ?でも花が白い?

花弁が完全に真っ白!そう、これは中国地方や四国などで普通に見られるシロバナタンポポという種類の花です。ふつうのタンポポの色が抜けてしまったわけではありません。

西日本のタンポポがなぜここにあるのかは・・よくわかりません。時折野外で見つかるので、人や物に付いて種子が運ばれて芽生えたのか、物珍しさで栽培されていたのが逃げたのか・・。博物館のとなりの樹林地にも数株あります。

続いてもうひとつ。葉っぱを見ると、イカリソウのようです。

でも、花が小さくて真っ白。これは、中国地方以西の石灰岩地に見られる山野草の、バイカイカリソウです。

関東地方にあるわけのない植物なので、おそらく、博物館の敷地の植栽にくっついてきたのでしょう。もう十数年来、毎年この時期に咲いています。

こうした植物は、まさに「外来種」です。同じ国内の自生種でも、本来の分布地を外れているのでそう呼ばざるを得ません。でも、意図的に植えられたものでもなく、見る見る株数をふやしているわけでもなく、開花を心の中で楽しみにしつつ、静観しています。

(生物担当学芸員 秋山)

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