昨日(5/24)の地質学講座で最後に沸石を観察しましたが,結晶が小さすぎて野外では写真が写せませんでした.そこで,コンパクトデジタルカメラにルーペをくっつけて,なんとか撮影することができました.カメラは三脚で固定しましたが,ルーペは手で持ってできるだけ動かさないようにして撮影しました.
写真中央の牙のような形をした鉱物は方解石と思われます.長さは2mm程度です.周囲の四角い鉱物は菱沸石です.
こちらは菱沸石とは異なる別の種類の沸石です.輝沸石かもしれません.左の結晶が約3mm,右の結晶が約2mmです.
これらの鉱物は岩石の隙間に,鉱物の成分を溶かし込んだ熱水がしみ込んで,それが冷えて結晶ができたものです.
ほとんどの沸石は小さくて,あまり見栄えのする鉱物ではありませんが,種類が多く,形もバラエティーに富んでいるので,沸石を専門に収集される方もいます.確かにルーペを使って見ると美しく,自分だけで宝石を独り占めしている気分になれます.
(地質担当学芸員 河尻)