花の話題を2つ

今朝、通勤途中にポツリポツリと降り出した雨の下でこんな植物を見つけました。

なにやら不思議な植物です。どこが花やら葉っぱやら・・でも、ちゃんと顔を見ると・・

ウラシマソウやテンナンショウのなかまだということがわかります。カラスビシャクと言います。別名ハンゲ。れっきとした在来の野草です。サトイモ科の野草としてはめずらしく、日なたを好みます。ハンゲ(半夏)は二十四節気の間に置かれた雑節の一つですが、夏至から11日目、田んぼの畦にハンゲが咲く頃、田植えの終わりだよ、という意味なのだそうです。写真の株は、ちょっと季節的には早すぎましたが、趣のある名前ですね。
ところで、もうひとつ花の話題です。少し前のことですが、緑区のとある林内で見つけた花です。

ムヨウランという菌従属栄養植物です。菌従属~と堅苦しいカテゴリーですが、かつては腐生植物と呼ばれていました。菌類に寄生する植物という意味です。でも、そんなことよりも、じつはこのムヨウラン、正式な記録としては県内初のようです。

高尾山には有名な産地があるので、県内で出るとしたら相模原市内かな、と推測されてきました。また、これまでも生育のウワサはあったのですが、少なくとも県内の標本記録はこれまでありませんでした。県内初記録を相模原市内で見つけるというのは、やっぱり気持ちがいいですね。
(生物担当学芸員 秋山)

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