クモの円網につけられた、白い帯。
「隠れ帯」「白帯(はくたい)」などと呼ばれていて、特徴的な隠れ帯は、種類を見分ける目安にもなります。
写真はまさに「帯」と言うべき形をしていますが、網の主はウズグモの仲間(多分カタハリウズグモと思いますが、見分けが難しいので、断定せずにおきます)。
あれ?ウズグモって渦巻き状の隠れ帯じゃなかったっけ?と思ったら、クモをそれなりにご存知の方。実はこんな形も珍しくありませんし、全く隠れ帯がついていない事もあります。
これが、典型的なウズグモ類の隠れ帯。確かに渦巻き状です。
でも、この個体も「あれ?」なのは、網の傾き。図鑑などではウズグモ類の網は「水平円網」と書かれています。
これはむしろ、垂直に近いですね。おかげで普通は撮りにくい、背面からの写真が撮れました。
野外で観察をしていると、決まりきったことしかできそうにないクモが、意外に柔軟性に富んだ行動をとっている事がわかり、図鑑や書物で得るのとは違った楽しみがあります。(学芸班 木村)